請求書・見積書といった社内文書、住所録、家計簿、カレンダー、などなど。様々な用途で活躍するExcel(エクセル)はビジネスでも、また個人用としても便利で欠かせないツールです。プライバシーの保護が重視されている昨今ですが、パスワードによる保護をかけて第三者に見られないようにすることも可能です。ですが、うっかりファイルにかけたエクセル パスワードを忘れてしまって貴重なデータが水の泡…。そんな経験はないでしょうか。そんなときにExcelファイルのパスワード保護を解除する裏ワザをご紹介いたします。

※本記事で紹介するExcelのバージョンはExcel 2010、またOSとしてはWindows 10を使用しております。

パスワードが分かっている場合にExcel 保護を解除する方法

Excel ファイルを保護するために、特定のパスワードをかけて保護するのが最も一般的に使用される方法です。エクセル パスワードの保護が設定されている場合は、エクセル ファイルの保護を解除する方法を知っていることが最善です。ここで、Excel ファイルのパスワード保護を解除する方法について詳しく紹介いたします。

1.書き込み/読み込みパスワードを解除する

  • まず、該当するファイルを開き、左上に[ファイル]をクリックして、[名前をつけて保存]を選びます。
  • すると、下の方に[ツール]とありますので、それをクリックして出てきた[全般オプション]を選択します。

    エクセル 保護 解除
  • 次のようなウィンドウが表示されるので、解除したいパスワードが入力された欄を空白にして[OK]を押した後、上書き保存すれば成功です。

    エクセル 保護 解除

2.Excel シートの保護を解除する

  • 該当するExcel ファイルを開きます。
  • [ホーム]タブをクリックし、[セル]-[書式]を開きます。
  • すると、[シート保護の解除]という項目があるので、クリックするとパスワードを入力するウィンドウが出てくるので、そこに打ち込めば解除されます。

    エクセル シートの保護 解除 エクセル シートの保護 解除
  • また、[校閲]タブの[シート保護の解除]をクリックすれば同じような手順で解除できます。

    エクセル シートの保護 解除

3.Excel ブックの保護を解除する

  • Excelシートの場合と同じで、保護されたExcelファイルを開きます。
  • [校閲]タブの[ブックの保護]をクリックします。

    excel vba パスワード 解除
  • パスワードを入力するウィンドウが表示されるので、設定したパスワードを入力して、そこで解除が可能です。

    エクセル ブック 保護 解除

パスワードが分からない場合にExcel 保護を解除する方法

パスワードを知っているか覚えている場合は、上記の方法でエクセルのパスワード保護を解除できます。パスワードがわからず、エクセル保護を解除できない場合は、次の3つの方法を参照できます。

方法1: PassFab for Excelを使用してエクセル 保護を解除する

まずはPassFabツールで解除する方法です。PassFab for Excelを使えば短時間かつ簡単に、またファイルを破損させる危険性もなく安全に Excelパスワードを解除することができます。更に、SheetやBook、マクロの保護だけでなく読み取り/書き込みパスワードの解除までできてしまいます。

今回は、エクセル 保護 解除ののPass Fab for Excelの使い方を紹介します。

  • まず、PassFab for Excelをダウンロードし、起動します。次のようなウィンドウが表示されますが、二つの選択肢のうち[Excelパスワード制限を解除]をクリックします。

    passfab for excelでExcel 保護を解除
  • ウィンドウが切り替わったら、+マークのところをクリックしてパソコンから該当するファイルをインポートします。

    passfab for excelでExcelファイルを追加
  • エクセル ファイルを追加してから、[解除]ボタンをクリックすると、あっという間にパスワードの解除に成功しました。

    Excel 保護 解除

このように、PassFab for Excelを使えば誰でも簡単にパスワード保護を外すことができます。

方法2: zipファイルに変更して、Excelパスワード 保護を解除する

拡張子をzipファイルに変更することで、パスワードの保護を解除することもできます。例を見てみましょう。このように、Sheet 1には保護がかかっています。パスワードが分からなければ何も書き込むことができません。

excel 保護 解除
  • ステップ1:保護されたExcelファイルの拡張子を.xlsx(.xlsm)から.zipに変更します。

    excel ファイル

    次のような注意書きが出ますが、[はい]をクリックします。

    excel ファイル

    すると、zipファイルが出来上がります。

    拡張子をzipファイルに変更
  • ステップ2:出来上がったzipファイルをダブルクリックして中身を確認し、[xl]を開きます。

    [xl]を開く

    次に、[Worksheets]をクリックします。

    [Worksheets]を開く

    すると、ファイルに含まれているシート名が出てきました。この中から保護を外したいシート名([sheet1.xml])を選択し、メモ帳で開きます。

    保護を外したいシートを開く
  • ステップ3:メモ帳で開くとこのような文字列が表示されます。そこで、“sheetProtection...“を含むコードの部分を削除し、上書き保存します。

    シートの保護を解除
  • ステップ4:今度は拡張子.zipを.xlsに戻し、Excelファイルとして開きます。
    すると、Sheet 1にかかっていた保護が外れていることが確認できました。

    エクセル シートの保護を解除

重要: しかし、この方法だとファイルが破損する危険性があります。また、ファイルを開くときに要求される読み込みパスワード及び書き込みパスワードを解除することはできません。

方法3: Excel マクロを利用してパスワード保護を解除する

最後に、マクロ(Excel VBA)を使ってマクロにかけられたパスワードを解除する方法です。

  • ステップ1:マクロがパスワード保護されているファイルを開き、[開発]タブから[Visual Basic]を開きます。

    excel vba パスワード 解除

    開こうとするとパスワードが要求されることを確認します。

    excel vba パスワード 解除
  • ステップ2:[ファイル]タブから[新規作成]-[空白のブック]をクリックします。

    excel vba パスワード 解除

    そうして出来上がった空白のブックで「名前をつけて保存」を選び、その際にはマクロ有効ブック(.xlms)として保存します。

    excel vba パスワード 解除
  • ステップ3:再び[Visual Basic]を開き、新しく作成したファイルのほうを右クリックし、[挿入]-[標準モジュール]をクリックします。

    excel vba パスワード 解除

    すると、このような画面になります。

    excel vba パスワード 解除

    この空白のボックス内に以下のソースを入力します。

    Sub PasswordRecovery()
    Dim i As Integer, j As Integer, k As Integer
    Dim l As Integer, m As Integer, n As Integer
    Dim i1 As Integer, i2 As Integer, i3 As Integer
    Dim i4 As Integer, i5 As Integer, i6 As Integer
    On Error Resume Next
    For i = 65 To 66: For j = 65 To 66: For k = 65 To 66
    For l = 65 To 66: For m = 65 To 66: For i1 = 65 To 66
    For i2 = 65 To 66: For i3 = 65 To 66: For i4 = 65 To 66
    For i5 = 65 To 66: For i6 = 65 To 66: For n = 32 To 126
    ActiveSheet.Unprotect Chr(i) & Chr(j) & Chr(k) & _
    Chr(l) & Chr(m) & Chr(i1) & Chr(i2) & Chr(i3) & _
    Chr(i4) & Chr(i5) & Chr(i6) & Chr(n)
    If ActiveSheet.ProtectContents = False Then
    MsgBox "One usable password is " & Chr(i) & Chr(j) & _
    Chr(k) & Chr(l) & Chr(m) & Chr(i1) & Chr(i2) & _
    Chr(i3) & Chr(i4) & Chr(i5) & Chr(i6) & Chr(n)
    Exit Sub
    End If
    Next: Next: Next: Next: Next: Next
    Next: Next: Next: Next: Next: Next
    End Sub

  • ステップ5:F5キーを押し、unprotectを実行するとこのような表示が出ます。

    excel vba パスワード 解除

    このような表示が出る場合もありますが、そのときは[実行]ボタンをクリックすれば上記の表示へと移ります。

    excel vba パスワード 解除
  • ステップ6: 再び[Visual Basic]を開いて、ロックされていたファイルをクリックすると、最初のようにパスワードを要求されることなく開くことができました。

    excel vba パスワード 解除

最後に

いかがでしたか?以上、保護されたExcelファイルについてパスワードが分からない場合と分かる場合とで分けてエクセル保護解除方法を紹介しました。特にパスワードが分からない場合の方法はパソコン初心者では難しく、またファイルを破損させる危険性がありますので、エクセル パスワード 保護 解除 ツール「PassFab for Excel」を使った方法での解除をオススメします。